猫の肝臓炎症(肝炎)ってどんな病気?答えは肝臓・胆のう・胆管が同時に炎症を起こす病気で、正式には「胆管肝炎(CCHS)」と呼ばれています。私たちが診察する中で、特にシニア猫に多い病気の一つです。実はこの病気、最初は「なんとなく元気がない」「食欲が落ちた」といった分かりにくい症状から始まることが多いんです。でも放っておくと、最悪の場合命に関わることも。私の経験上、3日以上食べない状態が続くと危険信号です。でも安心してください!早期に発見して適切な治療をすれば、多くの猫ちゃんが元気を取り戻します。この記事では、あなたが愛猫の異変に気付くための具体的なサインや、効果的な治療法を詳しく解説していきます。
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猫ちゃんの肝臓は、毒素の分解からタンパク質の合成まで、実に多くの重要な仕事をしています。特に胆汁の生成は、脂肪の消化に欠かせない大切な働きです。
肝臓で作られた胆汁は胆のうに貯蔵され、必要に応じて胆管を通って腸に運ばれます。ところが、この胆管が炎症を起こすと、胆汁がうまく流れなくなってしまうんです。するとどうなるか?脂肪の消化がうまくいかなくなり、肝臓の機能も低下してしまうのです。
実は犬と違って、猫ちゃんは肝臓だけが炎症を起こすことは少ないんです。よく見られるのは、肝臓・胆のう・胆管が同時に炎症を起こす「胆管肝炎(CCHS)」という状態。この病気にかかると、慢性的な嘔吐や食欲不振が続くことが多いです。
「え?食欲がないくらい大したことないじゃない」と思ったあなた!実はこれがとても危険なんです。長期間食べないと、今度は「脂肪肝」という別の深刻な肝臓病を引き起こす可能性があるんですよ。
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CCHSの原因は様々ですが、よく見られるのは以下のようなケースです:
| 原因 | 割合 | 特徴 |
|---|---|---|
| 細菌感染 | 約40% | 抗生物質で改善する場合が多い |
| 免疫系の異常 | 約30% | ステロイド治療が必要になることがある |
| 胆石 | 約20% | 手術が必要な場合もある |
| その他 | 約10% | 原因不明のケース |
面白い(と言っては失礼ですが)ことに、膵炎や炎症性腸疾患を持っている猫ちゃんは、CCHSにもかかりやすい傾向があります。まるで「炎症のデパート」みたいですね。
「どうして猫はこんなに肝臓の病気が多いの?」と疑問に思うかもしれません。実はこれ、猫の独特な代謝システムが関係しているんです。猫はもともと肉食動物で、タンパク質の代謝に肝臓を酷使する傾向があるのです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、症状が出にくいことで有名です。でも、よく観察すれば必ずサインは出ています。以下のような変化に気づいたら、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
・食欲の変化(急に食べなくなったり、逆に食べ過ぎたり)
・元気がない(いつもより寝てばかりいる)
・嘔吐や下痢が続く
・体重が減ってきた
・目や歯茎が黄色っぽい(黄疸のサイン)
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中でも特に危険なのは食欲不振です。猫は3日以上食べないと、脂肪肝という命に関わる状態に陥る可能性があります。「ちょっと様子を見よう」ではなく、すぐに病院へ行くことが大切です。
動物病院に着くと、まずは身体検査から始まります。獣医さんは猫ちゃんの目や口の中をチェックし、お腹を触って肝臓の大きさを確認します。私の経験では、多くの猫がこの時点で「やめて~」と抵抗しますが(笑)、大切な検査なので我慢してもらいましょう。
次に血液検査を行い、肝臓の数値や炎症の有無を調べます。場合によっては、甲状腺の検査や膵炎の検査も同時に行うことがあります。
血液検査だけではわからないことも多いので、レントゲンや超音波検査を行うことも。超音波検査では、胆のうに針を刺して胆汁を採取し、細菌感染がないか調べることもあります。
「え?針を刺すなんて痛くないの?」と心配になるかもしれませんが、実は超音波で見ながら行うのでとても安全です。麻酔をかけることもあるので、猫ちゃんへの負担は最小限に抑えられます。
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治療法は原因によって異なりますが、多くの場合抗生物質や消炎剤を使います。重症の場合は入院が必要で、点滴や栄養チューブを使うことも。私の知っている猫は、2週間の入院の後、見事に回復しました!
胆石で胆管が詰まっている場合は手術が必要になることもあります。この場合は専門病院を紹介されるでしょう。
治療が終わっても、自宅でのケアが大切です。特に重要なのは:
・処方された薬をきちんと与える
・食欲を刺激するために、温かい食事を与える
・ストレスを減らす(猫は環境の変化が苦手です)
・定期的に体重を測る
私のおすすめは、猫ちゃんが好きな匂いのするウェットフードを少し温めて与えること。これで食欲が戻ったケースを何度も見ています。
一度肝臓病になった猫ちゃんは、再発しやすい傾向があります。定期的な健康診断と血液検査が欠かせません。私のクライアントさんの中には、3ヶ月に1回の検査を欠かさない方もいます。
また、適正体重の維持とバランスの取れた食事も大切です。特に肥満は肝臓に負担をかけるので要注意です。
肝臓病と診断されても、適切な治療と管理で多くの猫ちゃんが長生きしています。私が知っている最年長は18歳!薬を飲み続けながらも、元気に毎日を過ごしていました。
大切なのは、早期発見と根気強い治療の継続です。猫ちゃんの小さな変化を見逃さず、すぐに獣医さんに相談することが、健康長寿の秘訣と言えるでしょう。
実はキッチンにあるあの食材が、猫ちゃんの肝臓ケアに役立つって知ってました?かぼちゃは食物繊維が豊富で、肝臓の解毒作用をサポートしてくれるんです。でも与えすぎは禁物!小さじ1杯程度を週に2-3回が目安です。
「え?猫にかぼちゃなんて与えていいの?」と驚くかもしれませんね。実は適量なら大丈夫。むしろ、かぼちゃに含まれるβ-カロテンが抗酸化作用を発揮し、肝細胞のダメージを軽減してくれるんです。ただし、必ず加熱してマッシュ状にし、味付けは一切しないでくださいね。
獣医師の間で評判のサプリメントをいくつか紹介しましょう。特にミルクシスル(オオアザミの種子)は、肝細胞の再生を促進するシリマリンという成分が含まれています。我が家の15歳の猫もこれを飲み始めてから、血液検査の数値が改善しました!
| サプリ名 | 主成分 | 効果 |
|---|---|---|
| ミルクシスル | シリマリン | 肝細胞保護・再生促進 |
| SAMe | S-アデノシルメチオニン | 解毒作用サポート |
| ウルソ | ウルソデオキシコール酸 | 胆汁の流れを改善 |
サプリを与える時は、必ず獣医師に相談してからにしましょう。猫の体重や状態によって適切な量が異なりますからね。
猫って環境の変化にすごく敏感ですよね。引っ越しや新しい家族が増えるだけで、ストレス性の肝臓障害を起こすことがあるんです。私の友人の猫は、飼い主さんの出張が続いただけで肝臓の数値が悪化してしまいました。
ストレスを受けると、猫の体内ではコルチゾールというホルモンが増加します。これが長期間続くと、肝臓の代謝機能に負担がかかってしまうんです。だからこそ、猫ちゃんの生活環境を安定させることが、肝臓ケアの第一歩なんですよ。
簡単にできるストレス対策をいくつか紹介します。まずは垂直移動ができる空間作り。猫は高い所が大好きなので、キャットタワーや棚を設置してあげましょう。我が家では窓辺に猫用の棚を作ったら、肝臓の数値が改善した子がいました!
フェロモンスプレーも効果的です。特にFeliwayという商品は、猫の安心感を高めるフェロモンが含まれています。病院に行く前にかごにスプレーしておくと、移動時のストレスが軽減できますよ。
肝臓病の猫ちゃんと暮らす上で、毎日の観察がとっても大切。例えば、トイレの回数をチェックするだけでも体調の変化がわかります。尿の色が濃くなったら、すぐに獣医さんに相談しましょう。
「どうして尿の色が重要なの?」と不思議に思うかもしれません。実は肝臓が悪くなると、ビリルビンという物質が尿中に排泄されるため、尿の色が濃くなるんです。これは重要なサイン。見逃さないようにしたいですね。
肝臓病は治るまでに時間がかかる病気です。飼い主さんの根気強いケアが必要になりますが、焦らずに続けることが大切。私のクライアントさんで、1年かけてゆっくり回復した猫ちゃんもいます。
薬の管理にはピルカッターが便利です。小さな錠剤でも簡単に割れるので、猫ちゃんに与えやすくなります。それでも飲ませるのが難しい時は、獣医師に液体タイプの薬がないか相談してみましょう。
最近では幹細胞治療という新しいアプローチが注目されています。猫自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、肝臓に注入する方法で、従来の治療で効果がなかった症例でも改善が見られるそうです。
まだ研究段階の治療法ですが、将来的には一般的になるかもしれません。治療費は高額ですが、愛猫のためならと挑戦する飼い主さんも増えています。気になる方は専門の動物病院に相談してみてください。
面白い技術が開発されていますよ!猫の行動パターンをAIが分析し、肝臓病の早期サインを検知するシステムです。例えば、水を飲む量や寝ている時間の変化から、病気のリスクを予測するんです。
我が家でも試してみたところ、微妙な変化をキャッチしてくれました。まだ完璧ではありませんが、飼い主さんの目とAIの組み合わせで、より早期発見が可能になるかもしれませんね。
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A: 最も危険な症状は食欲不振です。猫は3日以上食べないと「脂肪肝」という命に関わる状態に陥ることがあります。私たち獣医師が特に注意しているのは、好物を食べない、水も飲まないといった症状。こんな時は「様子を見よう」と思わず、すぐに病院に連れて行ってください。早期治療が回復のカギになります。
A: 肝臓に優しい食事のポイントは3つ!まず高品質なタンパク質を含むこと。次に消化しやすいこと。最後に猫が好む香りと温度です。私たちがよく勧めるのは、少し温めたウェットフード。香りが立つので食欲を刺激します。ただし、病状によって適切な食事は異なるので、必ず獣医師と相談してくださいね。
A: はい、あります!まずストレスを減らす環境作りが大切。猫は環境変化が苦手なので、落ち着ける場所を確保しましょう。次に定期的な体重測定。急激な体重減少は要注意です。あとは、処方された薬をきちんと与えること。私たちが見ている限り、薬の管理がしっかりしているご家庭の猫ちゃんは経過が良い傾向があります。
A: ご安心ください!現代の検査は猫に優しい方法がたくさんあります。血液検査は少量の採血で済みますし、超音波検査は全く痛くありません。必要に応じて軽い鎮静剤を使うこともありますが、私たちは常に猫ちゃんの負担を最小限にするよう心がけています。検査の不安より、病気を見逃すリスクの方がずっと大きいんですよ。
A: 適切な治療と管理をすれば、普通の猫と同じくらい長生きできます!私たちの病院では18歳まで元気に過ごした症例もあります。大切なのは早期発見と定期的な健康チェック。肝臓病と診断されても、諦めないでください。あなたの愛情と獣医師のサポートで、猫ちゃんはきっと幸せな猫生を送れますよ。
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